疲労の原因は様々です。たとえば激しい運動を長時間行えば足がつることがあります。これは激しく動かした筋肉が疲労物質である乳酸を生成し、この乳酸が筋肉を痙攣させることで起こる症状です。
たとえ激しい運動を行わなくても人間の体には自然と疲労物質が溜まります。それゆえに誰もが疲労感を感じるのです。しかし疲れてもきちんと休息をとれば疲れた体は自然と回復に向います。なぜなら体には疲労を回復させるための疲労回復物質を作る働きがあるからです。
実はこの疲労回復物質とアンチエイジングの間には深い関わりがあり、この物質の生成と働きが若さを保つための秘訣の一つといっても過言ではないのです。では人の体が疲れる仕組み、そして疲労回復物質の働きについてここで少しお伝えしたいと思います。
体はなぜ疲れるのか
先にも述べたように人は激しい運動を行わなくても疲れを感じます。その理由は体が作り出すエネルギーと関係があります。人間の体は食物から栄養素や酸素を取り入れ、活動するためのエネルギーを作り出します。
しかしこのエネルギーを作り出す過程で酸素の一部が活性酸素に変化するのです。活性酸素は細胞を酸化させ、尚且つ細胞を傷つけます。傷ついた細胞は老廃物を排出し、これが体に行き渡ると疲労を感じるようになるわけです。また傷ついた細胞が上手に修復されなければそれは正常に細胞とは異なり、働きが鈍くなります。これが細胞の老化現象です。このように細胞の酸化は老化を引き起こし、疲労物質の蓄積を招くのです。
しかしこうした現象をストップさせるために体は疲労物質にしっかりと反応します。体内に疲労物質が発生すると体は疲労回復物質を生成するのです。そしてこの一連のサイクルにはパターンがあります。活動時間が長い日中は体内で発生する疲労物質が増加する傾向にあり、体を休めることの多い夜に疲労回復物質が生成されるのです。
そのため夜寝ている間に疲労物質が処理され、翌朝すっきりと目覚めることができるわけです。ではなぜ疲労回復物質が体内で生成されているのに老化現象が生じてしまうのでしょうか?
疲労回復物質の生成と加齢
残念なことに体内で生成される疲労回復物質は年齢と共に働きが鈍くなります。しかしながら疲労物質は若くても、そして年齢が増しても同じように増え続けます。そのため活性酸素によって傷ついた細胞の修復が遅れてしまい、それが影響して疲れやすくなり、尚且つ自然と見た目が老けていくのです。
まず、体内で生成されるで疲労回復物質を十分に活用して若さを保ちたいのであれば活動をコントロールすることがキーポイントとなります。極端に体を動かさないと疲労回復物質の生成能力は鈍ってしまいます。
しかしあまりに激しく体を動かすと疲労回復物質の働きが疲労に対応することができません。それで「少し疲れる程度」を目安に活動することが望ましいでしょう。もちろんときには激しい運動を行うこともあれば、長旅などで体が普段の生活以上に疲れることもあることでしょう。このようなケースは特に問題ありません。ポイントは自分の体の限界をわきまえ、定期的なオーバーワークをセーブすることです。
また疲労が蓄積すると活性酸素によって傷ついた細胞が修復されにくくなります。そのため十分な睡眠を定期的に取ること、入浴などで体がリラックスできる環境を整えることなどが非常に重要となります。とにかく疲労を溜めないようにすることはアンチエイジングと大きく関係しています。そのため生活リズムをもう一度見直し、体に負担のかからない生活を心がけることで若さを保つようにしましょう。
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