「抗糖化」という言葉を聞いた事があるでしょうか。
これは、「抗酸化」が身体が酸化するのを防ぐのに対して、身体が「糖化」するのを防ぐことを指します。この糖化というのが、アンチエイジングにおける1つのキーワードなのです。
糖化とは、シンプルに説明すると、「身体の中に入った糖がタンパク質と結合して有害物質になること」です。詳しく説明していきましょう。
糖化のメカニズム
人間は、食べ物を食べることでエネルギーや栄養を摂取し、それを代謝することで身体を作り、活動をしています。
その大事なエネルギー源となるのが「糖」です。単にお砂糖のことだけでなく、日本人の主食であるお米や、その他主食となるパン、麺、芋なども、この糖が主な構成要素となっています。
その糖が含まれている食べ物を食べると、そこから身体に「糖」の吸収が始まります。お米や芋等を構成するでんぷんも、分解されると「ブドウ糖」になり、腸で吸収されます。
その後「ブドウ糖」は血液中を通り、肝臓を経て各細胞などに運ばれてエネルギーになったり、筋肉細胞や脂肪細胞に運ばれて脂肪や筋肉になります。
しかし、現代ではお米の消費量は減ったものの、ラーメンやパスタ、パン、甘いものなど「糖」の摂取量は増えており、さらに運動量も減っているので消費しきれない「糖」が、血液中で長く滞在してしまいます。
この結果、影響を受けるのがタンパク質であるコラーゲンとエラスチンです。このコラーゲンとエラスチンが糖により「糖化」してしまい、元の物質から変性して「AGEs」という「終末糖化産物」に変化します。この「AGE(終末糖化産物)」が老化に対して問題なのです。
AGE(終末糖化産物)とは
AGE(終末糖化産物)とは、糖とタンパク質が結合しで変性したもの。
この「糖化」は実は日常生活でも見ることができます。
例えば卵焼き。卵にお砂糖やお醤油などを入れて熱することで出来ますが、このときタンパク質である卵と糖質の砂糖が結合し、さらに加熱されることによってある「こんがり」と良い焼き色がつきますよね。この「こんがり変色したもの」こそ、AGE(終末糖化産物)なのです。
他にもパンケーキなども、卵とお砂糖でこんがりとしたAGE(終末糖化産物)がつきますし、チキンのハニーマスタード焼きなども、鶏肉のタンパク質と、蜂蜜の糖が結合してAGE(終末糖化産物)が発生します。ちなみに同じ「こんがり」でも、ただ砂糖を加熱したカラメルなどにはAGE(終末糖化産物)は発生していません。
これと同じ現象が、体内で起きていると考えましょう。
体内に長く留まった糖とたんぱく質が結合して「AGE(終末糖化産物)」が作られます。
血液中に糖が多い状態、つまり血糖値が高い状態が長く続くほど「AGE(終末糖化産物)」が作られやすくなるということです。
さて、次はこの「糖化」がどのような老化現象を引き起こすのか見てみましょう。
→糖化が引き起こす老化現象とは!?
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