日本食=健康。海外でそんな風なイメージが出来たのは、ここ数年くらいです。しかし、一時のブームのようなものであった日本食が今では定番になってきてるといってもよいかもしれません。この日本食ブーム。どのように始まり、どのように広まったのでしょうか?
健康は食事から?世界の日本食ブームとは?
日本生まれですが、海外暮らしの長い私からすると、この数年の日本食ブームは目を見張るものがありました。ブームとして広まり、定着にいたったのは、どのような点が受けいれられたのでしょうか?
先ず海外で日本食レストランが出来始めたのは、日本人駐在員が日本食を食べたいと思うことから、寿司レストランがはやり始め、アメリカ人の健康志向によって、先ず日本企業に勤めているアメリカ人から、ヘルシーな日本食に関心が高まりました。
30年前までは生魚を食べるなんて、想像もできなかったアメリカでも、健康によさそうならと食べるようになり、あまり抵抗のないマグロがまず食べられるようになりました。もともとマグロはシーチキンサンドとして、ハムやローストビーフ同じに、とても人気があったサンドイッチで、シーチキン(缶詰)として親しまれていたこともあり、すんなり受け入れられました。
ただ生となると抵抗は強かったのですが、味として違和感があまりなく、すし飯の酸味と一緒なら食べられるのでしょう。日本人のように刺身として食べる事は、今でもよっぽどの通でない限り、まだ無理ですが、寿司が人気の健康食品となったわけは、油を使わず、カロリーも低い事から、健康食ブームのアメリカで、どんどん広まっていったのです。今は中華レストランと並んで、すしを主体にしている日本食レストランがあっちこっちに、でてきました。
ニューヨークの本格的なすし専門店は、お客様のオーダーを聞きながらカウンターで握る職人さんの姿には、日本とまったく同じで、アメリカ人も箸を使いながらすしを食べ、日本酒を飲んで、楽しんでいます。ただ、高級すし店ではなく、一般の人向けの店は、生の魚ではなく、アボガドを主に巻いたカリフォルニアロールが一番人気で、お値段も手頃な事から、最近はスーパーマーケットにも、寿司コーナーができ、良く売れています。寿司はご飯も一緒に食べる事から、お腹一杯になってもカロリーはそんなに多くないので、食事の満足度があり、ブームになったのでしょう。確かにステーキだけでお腹が一杯になるまで食べるのとは違い、カロリーも低くお腹も満足となれば、日本食がブームになるのは当然と言えます。
日本食レストランでは必ずあるメニューとして天ぷらがありますが、海老以外は野菜を使うので、美味しいと評判になり、天麩羅は最も受け入れやすい日本食になりました。てんぷら定食は人気で、お盆にてんぷら、小鉢(野菜の煮物)あまり酢の効いていない酢の物、味噌汁そしてごはんが綺麗に並んで、日本とまったく同じ様なプレートです。
一緒につく味噌汁も味噌が発酵食品として健康に良いと飲むようになり、中に入っている豆腐や、わかめもだんだん受けいれられるようになり、今は日本酒を飲みながら、すし,てんぷらを食べている姿は、日本と変わらない光景になりました。また、ランチでは、定食として鳥肉の照り焼き(日本よりずっと甘い」が一番人気で、ワンプレートに刻んだキャベツやポテトサラダ一緒に、すっかり定番になっています。その他、牛丼も牛肉を甘辛く味付けするだけなので、味の濃さからご飯をたくさん食べて、満腹感が得られ、カロリーも抑えられています。とんかつも今は人気の日本食になっていますが、やはりソースをたっぷりかけ、ご飯を食べる事で、カロリーが抑えられています。
食後のお茶も、少し前までは、苦い、味がしないとあまり好まれませんでしたが、今は健康に一番良いお茶として、良く呑むようになりました。日本の食材は、お茶も含め、味が淡白なので、外国人には物足りない感じがし、なかなか受け入れられませんでしたが,慣れてくると良さがわかり、今度はその味が好きになっていくのです。
日本食ブームは、これからも下火になる事はなく、イタリアン、フレンチ、中華のように、欧米、アジアの全世界に、着実に伸びていくことでしょう。
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